新たな財産が見つかった場合は?
遺産分割協議後に新たな財産が見つかった場合、財産の内容によって対応が異なります。
その財産の性質から、先に行われた遺産分割協議自体の効力も変わってしまいます。
具体的には新たな財産を含めて、遺産分割協議をやり直す場合と新たな財産のみを分割するといったケースに分けられます。
新たに発見された財産が相続人によって隠匿されたものである場合、その遺産の価値が遺産全体の価値のバランスを変えてしまう場合などにおいて、協議のやり直しが必要になる可能性があります。
遺産分割協議後に新たな財産が見つかった場合、相続人の一人が確定した遺産分割協議に異を唱えると、既に成立した遺産分割協議を無効にできます。
しかし、再び遺産分割協議を行うことは、時間もかかるなど相続人全員にとって負担となります。
また、相続されていたものを既に利用・処分するなどして、相続以前の状況に戻すことができない場合には同価値の支払いが生じる為、より大きな負担となると考えられます。
以上のことから、実際には新たに見つかった財産のみ分割するケースが現実的であると言えます。
新たな財産の相続と遺産分割協議書の作成
協議後に新たに財産が見つかると、追加の相続税が発生し、申告義務が生じます。
その際における問題を避けるために、先に行う遺産分割協議の時点で、予め後になって発見された財産の相続人や処理の仕方を決めておくということも可能です。
例1)本協議書に記載なき財産が判明した場合には、相続人〇〇が取得する
例2)本協議書に記載なき財産が判明した場合には、法定相続分により各相続人が取得する
遺産分割協議書の作成の為には、戸籍による相続人の調査、財産目録の作成、各相続人の実印と印鑑証明書の準備が必要になります。
相続人が離れている場所で生活しているなど、直接の話し合いが困難な場合、連絡を取った上で書面を郵送でやり取りするといったことになります。
このような手続きを新たな財産が見つかる度に行うのは面倒です。
トラブルにならないための遺産分割協議書を作成するためにも、最初の遺産分割協議を行う際にしっかりとした財産調査を行い、専門家に相談し、遺産分割協議書の作成を依頼することをお勧めします。